食品衛生学雑誌
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薬品臭トマトからのトルクロホスメチル及び分解生成物 (2,6-ジクロロ-p-クレゾール) の検出
田中 康夫細井 志郎清水 亮子桐ヶ谷 忠司笹尾 忠由水野 惇雄河村 太郎中澤 裕之
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1997 年 38 巻 5 号 p. 323-328_1

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抄録

薬品臭トマトの原因物質を究明するたあにトマト及びその栽培土壌を採取してGC-FPD及びGC/MSにより検討した. いずれの試料からもトルクロホスメチル (以下: TLCM) 及びTLCMの分解生成物の2,6-ジクロロ-p-クレゾール (以下: 2,6-DCPC) を検出した. その値は, 土壌でTLCMが0.02~2.2μg/g, 2,6-DCPCが0.03~0.15μg/g, トマトでTLCMが0.01~0.02μg/g, 2,6-DCPCが0.01~0.02μg/gであった. この2,6-DCPCは2,4-ジクロロフェノールと同様のフェノール臭を呈し, トマトの薬品臭の原因物質は2,6-DCPCであると推測された.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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