食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
市販油脂食品の酸敗度合と酸敗防止対策について (第1報)
市販油脂食品の酸敗度合について
梶本 五郎笠村 貴美子前場 佳子真鍋 恵子
著者情報
ジャーナル フリー

1963 年 4 巻 6 号 p. 358-361

詳細
抄録

3月, 6~7月の梅雨期と, 夏を越した9月の3時期に市販の各種油脂食品, すなわちドーナツ, クラッカー, チョコレート, ポリコン, いかり豆, グリンピース油揚げ, カリントウ, お好み, チキンラーメン, トンメン, バター, マーガリン, ラード, マヨネーズ, 豚ハム, 鯨ハム, 魚肉ソーセージ, イカのクン製物, いりこ, ミリン干し, しらす佃煮, 花かつを, うまいか等23種を, それぞれ異なった店より無作為的に購入し, エーテル抽出油の過酸化物価および酸価を求めた.
その結果
1. 食品別では油脂の過酸化物価および酸価の高いもの, すなわち変敗度の高いものは, ミリン干し, いりこ, イカのクン製物, しらす佃煮, ハム等で, ついで花かつを, 油揚げ豆類, お好み, ドーナツ等で, 比較的, クラッカー, チキンラーメンは低くラード, マーガリン, バター類が最も低い.
2. 季節別では概して3月頃より夏を越した9月頃の食品の方が変敗度高く, とくにいりこ, 油揚げ豆, お好み等は気温に影響され, マーガリン, バターなどは年中ほとんど一定であった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top