食品衛生学雑誌
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ブナハリタケの急性・慢性炎症モデルに対する作用
笠原 義正安川 憲久間木 国男
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1999 年 40 巻 5 号 p. 368-374_1

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抄録
我々は, 自然食品の機能性を調べている. 今回は食用キノコのブナハリタケについてマウスとラットを使用した急性・慢性炎症モデルを用いて抗炎症作用の検討を行った. ブナハリタケのエキスはカラゲニンによる浮腫を有意に抑制した. 更に, 炎症の急性起炎物質 (ヒスタミン, セロトニン, ブラジキニン, プロスタグランジン) による炎症及び血管透過性を抑制したことから, ブナハリタケは主として, 炎症反応の初期に作用することが分かった. また, ブナハリタケが綿球法による肉芽形成を抑制し, アジュバントによる慢性関節炎を抑制することから慢性炎症にも効果のあることが考えられた. 以上のことから, ブナハリタケは機能性食品として期待される.
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© 社団法人 日本食品衛生学会
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