食品衛生学雑誌
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食品の腐敗に関する研究 (IV)
冷蔵庫, 熱蔵庫, 恒温, 室温に貯蔵せる魚肉の腐敗生成物の変化
森山 繁隆石原 利克坂部 美雄
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1964 年 5 巻 5 号 p. 361-365

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抄録

サバの生肉と煮沸肉を冷蔵庫, 熱蔵庫, 恒温 (20°) および室温 (冬期) に保存して, pH, VBN, Amino N, VRS, VFA, HdおよびHmの消長を調べた.
1) pHは生魚肉と煮沸魚肉では変化に差があった.
2) 低温で腐敗の進行度を判定するにはVRSが最も良好である.
3) 恒温 (20°) では生魚肉, 煮沸魚肉ともにVFAが生成された. 酢酸, n-酪酸がギ酸, プロピオン酸より多量であった. 煮沸魚肉はプロピオン酸が生成されなかった.
4) 熱蔵庫ではVBN, Amino N, VRSが24~48時間で冷蔵庫より多量に生成されるが以後上昇しない.
5) 生魚肉の恒温 (20°) ではHdが減少するがこれと同時にHmが増加する. 煮沸魚肉は恒温 (20°) ではHdが減少してもHmは生成されない.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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