1967 年 8 巻 2 号 p. 156-161
Escherichia coli NIHJ株を試験微生物とし, 10%プロピレングリコールを含むpH 5.5~6.5のベロナール緩衝液 (pH 5.5~6.5 PPG緩衝液) に0~5.0ppmのAF 2を溶存させたmodel systemを用い, 比濁法によるニトロフラン系防腐剤AF 2の抗菌力測定法について検討を行なった.
その結果, 比濁法による測定値には, 培地のpH, 培養温度, 培養時間ならびに接種菌量などが著しく影響することが認められた.
これらの培養条件について検討を加えたところ, Escherichia coliの一定量を接種したpH 6.0のリン酸緩衝液を含む肉エキス培地5mlに, AF 2を5ppm以下含むpH 5.5~6.5 PPG緩衝液に種々の処理を施してからpH 6.0 PPG緩衝液で10倍に希釈したもの1mlを加えて32°で18時間培養し, 波長634mμにおける吸光度 (濁度) を測定することにより, 従来用いられているカップ法よりもはるかに正確にAF 2の抗菌力を測定することができた.