食品衛生学雑誌
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各種食品添加物と共存する亜硝酸塩の比色定量法について
永田 致治安藤 則秀
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1967 年 8 巻 6 号 p. 532-539

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抄録

各種食品添加物と共存する亜硝酸塩を正確に定量できる比色法を見いだすため, model systemを用い, Follett and Ratcliff変法について種々検討を行なった結果, この目的にそうつぎのような方法を考案することができた.
Follett and Ratcliff変法で亜硝酸塩を比色定量する場合, 還元性物質とヘキサメタリン酸塩が阻害を示すことを認めたので, まず亜硝酸塩と各種食品添加物を含むmodel systemに赤血塩を加えて還元性物質を酸化する. 赤血塩と還元性物質の反応で生じた黄血塩もまた阻害を示すので, これを沈殿除去するため酢酸鉛を加えると, この際同時にヘキサメタリン酸塩が沈殿する.
これらの沈殿をろ過すると, すべての阻害物質が除去されるので, このろ液についてFollett and Ratcliff変法で亜硝酸塩を比色定量すると, 各種食品添加物と共存する亜硝酸塩の量を正確に定量することができる.

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