食品衛生学雑誌
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食品汚染細菌に対する卵白リゾチームの溶菌性について
Bacillus subtilisに対する溶菌性
赤司 景
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1968 年 9 巻 2 号 p. 97-104

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抄録

食品汚染菌Bacillus subtilisに対して卵白リゾチームの溶菌作用について検討を行ないつぎの実験結果を得た.
a) sporeに対しては, リゾチーム濃度0.00125%では栄養細胞の増殖は認められたが, 0.0025, 0.005, 0.01, 0.0125, 0.025, 0.05, 0.1, 0.2%のいずれのリゾチーム濃度でも栄養細胞の増殖は認められなかった. なお, これらの実験結果とともにリゾチームのsporeに対して溶解作用があるか否かについては, sporeの外皮の化学的成分の遊離を確認する必要があるので, これについては今後検討を行なう予定である.
b) 栄養細胞については, リゾチーム濃度0.00125, 0.2, 0.1, 0.05, 0.025, 0.0025, 0.005, 0.01%の各リゾチーム濃度で溶菌が認められ, この濃度の順に溶菌度の上昇が見られた.

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