食品衛生学雑誌
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食品中のタール色素の定量法の検討
(I) 食用飲料中のタール色素の定量法
高木 茂明
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1968 年 9 巻 5 号 p. 399-404

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抄録

食用タール色素の定量法として従来定性分析に使われているところの毛糸を用いて吸着, 溶出を行なう方法を改善することを検討した.
方法はつぎのようである. あらかじめ色素濃度と極大吸収を示す波長の吸光度との間に標準曲線を作っておく. 色素溶液 (あるいは試料溶液) から色素を毛糸に吸着させその吸着毛糸からアンモニア水を使って溶出する. 溶出液を濃縮して一定量となし, その溶液の一定部分をとってペーパークロマトグラフィーを行なう. ペーパークロマトグラム上の各スポットを切り抜き, 色素を溶出して一定容量となし, 吸光度を測定してその値から標準曲線を使って色素の絶対量を読みとる.
毛糸からの回収率, ロ紙からの回収率, 市販合成レモン飲料に標準色素を混じたものからの色素の回収率を調べた結果, 供試18種類のタール色素のうちR-104, R-105, R-106, G-1, G-2, B-2, V-1以外は最終的に約90%以上の回収率を示した.

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