小児耳鼻咽喉科
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原著
直達鏡下に染色後摘出した下咽頭梨状窩瘻の 1 例
成尾 一彦宮原 裕家根 旦有細井 裕司
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2009 年 30 巻 3 号 p. 227-231

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抄録

  症例は 7 歳女児。平成18年 4 月 5 日より発熱と前頸部腫脹があり当院小児科に入院となり,左甲状腺炎周囲の炎症が疑われ化膿性甲状腺炎と診断された。抗生剤の点滴で消炎後に,下咽頭造影検査で左梨状窩より造影される瘻管を指摘され,下咽頭梨状窩瘻と診断された。同年 7 月26日に瘻管摘出術を施行した。まず直達鏡を挿入し左梨状窩に開口している瘻孔を同定しピオクタニンを注入し瘻管を染色した。その後,頸部襟状切開し染色された瘻管を同定した。瘻管は周囲と軽度癒着みられたが慎重に剥離し梨状窩粘膜近傍まで瘻管を追い摘出した。左甲状腺は合併切除しなかった。瘻管摘出術に際しては,瘻管の同定が困難な場合もあり,いくつかの瘻管の同定方法が報告されている。直達鏡下に瘻孔を確認し染色する方法を推奨している報告が多く,同法では甲状腺を温存できる可能性も高く第一選択になりうると考えられる。

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© 2009 日本小児耳鼻咽喉科学会
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