小児耳鼻咽喉科
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原著
生後11ヶ月で人工内耳埋込術を施行した細菌性髄膜炎後難聴の 1 例
濵田 浩司菅谷 明子片岡 祐子前田 幸英福島 邦博西﨑 和則
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2012 年 33 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

  生後11ヶ月で人工内耳埋込術を施行した髄膜炎後難聴の 1 例を経験したので報告する。症例は生後 8 ヶ月で,細菌性髄膜炎に罹患し,治癒後の聴性脳幹反応検査では両側 105 dBnHL で反応がみられなかった。内耳 MRI の 3D 再構築画像で右内耳は既に閉塞し,内耳内腔の骨化が急速に進行していると考えられた。左内耳は今後閉塞が高度となる可能性が考えられ,直ちに左人工内耳埋込術を施行した。髄膜炎後の難聴にはしばしば蝸牛内骨化を伴うが,中には髄膜炎罹患後約 2 週間から内耳骨化が進行するような,急速な骨化例もある。髄膜炎直後の乳児では難聴の早期発見のための ABR 検査や,難聴の存在を疑われた場合の迅速な MRI 検査は不可欠である。

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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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