小児耳鼻咽喉科
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原著
千葉県こども病院における「感覚器障害戦略研究—聴覚分野—」言語検査データの検討
—聴覚障害児の就学先別言語発達評価—
石田 多恵子猪野 真純仲野 敦子有本 友季子黒谷 まゆみ森 史子工藤 典代笠井 紀夫福島 邦博
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2012 年 33 巻 1 号 p. 29-36

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抄録

  聴覚障害児の日本語言語発達に関する全国研究として,厚生労働科学研究補助金事業「感覚器障害戦略研究—聴覚分野—」が実施され,日本語言語発達を評価するテストバッテリー ALADJIN(アラジン・Assessment of Language Development for Japanese chIldreN)が提唱されている。当院もこの研究に参加し,4 歳から12歳までの先天性高度聴覚障害児(平均聴力レベル70 dB 以上)計44名に対して ALADJIN を実施し,同事業による聴覚障害児全国集計平均値(平成22年 5 月・感覚器障害戦略研究中間報告)との比較検討を行った。
  言語力が高く,音声によるコミュニケーションが可能な児の多くは普通小学校(メインストリーム)に在籍していた。聾学校小学部低学年では言語力の低い児が多くみられたが,同小学部高学年になると全国集計値よりも高い言語力を有する児がみられ,各々の児に適した教育により言語力を伸ばせる可能性が示唆された。

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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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