小児耳鼻咽喉科
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原著
小児急性鼻副鼻腔炎症例における薬剤耐性菌の現況
冨山 道夫
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2012 年 33 巻 1 号 p. 53-62

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抄録

  2010年急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン(以下ガイドライン)が作成された。これは急性鼻副鼻腔炎の重症度を 3 つに分類し,重症度に応じた抗菌薬選択をペニシリン系抗菌薬を中心に行うものである。今回は当院における小児急性鼻副鼻腔炎の薬剤耐性菌の現況を調査し,ガイドラインに示された抗菌薬選択が実地医家の現状に沿うものかどうかについて検討を行った。対象は2009年から2010年までに当院を受診した小児急性鼻副鼻腔炎症例のうち膿性鼻汁より,Streptcoccus pneumoniae もしくは Haemophilus influenzae が検出された522名である。その結果小児急性鼻副鼻腔炎の第一選択剤は amoxicillin (AMPC),第二選択剤は cefditoren (CDTR)が適当であると考えられ,ガイドラインを支持する結果を得た。

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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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