小児耳鼻咽喉科
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特別講演2
子どものこころとことばの育ち—親子を共に支援するために
中川 信子
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2013 年 34 巻 3 号 p. 234-238

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抄録

  1 歳—3 歳時期のことばの遅れは,障害に由来する場合も,生理的な個人差による場合もあって,判別は困難である。
  ことばや発達の遅れの可能性のある児については①聴力 ②理解 ③対人関係・コミュニケーション ④こだわりの有無 ⑤落ち着きのなさ などに焦点をあてて観察する。
  乳幼児期には,訓練的なかかわりによって言語発達を促進することは困難であり,からだ,こころを含めた全体発達の中で考えてゆく必要がある。ことばの遅い子の保護者は焦って教え込みに走りがちだが,毎日の生活体験の中から分かることをふやすようなかかわり,いっしょに楽しく遊ぶ中でのコミュニケーションの改善,特に,感覚統合的な視点からのからだを使った遊びを提案する。
  また,乳幼児期から親子でしっかり目を合わせ,共同注意の成立を図るかかわりが大切である。

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© 2013 日本小児耳鼻咽喉科学会
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