2014 年 35 巻 1 号 p. 21-26
ベーチェット病は全身諸臓器に発作性の急性炎症を繰り返し,慢性に経過する原因不明の難治性疾患であり,小児での発症は非常にまれである。今回我々は,頸部リンパ節炎を反復後にベーチェット病不全型の診断へと至った症例を経験したので,若干の文献的考察を行い報告する。症例は 5 歳,10歳時に入院加療を要する頸部リンパ節炎を認め,13歳時には頸部リンパ節炎,口腔内潰瘍,陰部潰瘍,消化器症状を呈し,ベーチェット病不全型の診断へ至った。反復する感染症の背景に隠れた疾患がある可能性を念頭に置き,小児科医など他科との連携が重要と考えられた。