小児耳鼻咽喉科
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原著
1歳未満の乳幼児睡眠時無呼吸症候群における手術治療効果の検討
三塚 沙希水足 邦雄守本 倫子泰地 秀信
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2014 年 35 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

  アデノイドや口蓋扁桃肥大は乳幼児の上気道閉塞の原因となるが,1 歳未満では手術が行なわれないことも多い。我々は,睡眠時無呼吸がある 1 歳未満の乳児に対してアデノイド切除あるいは口蓋扁桃摘出術を施行した12例を検討した。アデノイドの程度はアデノイドの厚みと咽頭内腔の比(AN ratio),睡眠時無呼吸症候群の重症度は desaturation index(DI)と desaturation time(%DT90)で評価した。両者に相関を認めなかった。術前の臨床症状として喘鳴を最も多く認め,次いで陥没呼吸,哺乳障害を認めた。術後は全例において,DI と%DT90と臨床症状の改善を認めた。乳幼児の睡眠時無呼吸症候群の場合,明確な手術適応は定まっていないが,臨床症状と検査結果から総合的に判断し,手術適応があれば 1 歳未満でも早期に手術を行うことが有意義であると考えられた。

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© 2014 日本小児耳鼻咽喉科学会
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