小児耳鼻咽喉科
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症例報告
小児自律性機能性甲状腺結節の一例
岩本 文菅原 一真広瀬 敬信原 浩貴橋本 誠山下 裕司
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2017 年 38 巻 1 号 p. 8-13

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抄録

 TSHの支配を受けずに甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺結節は自律性機能性甲状腺結節(Autonomously functioning thyroid nodule: AFTN)と呼ばれ,本邦での小児例の報告は数少ない。今回,甲状腺機能亢進症状をきっかけに受診し,AFTNと診断された小児例を経験した。症例は14歳男児,前頸部腫脹と甲状腺ホルモン値の上昇を認め紹介となった。甲状腺両葉に1つずつ腫瘤が存在し,左葉腫瘤でより腫大を認めた。どちらもシンチグラフィでの集積を認めたが,より高集積を示し腫大した左葉腫瘤が症状の主座と考えられた。まず甲状腺機能亢進症状を改善させ甲状腺ホルモン値を正常化させたのち,甲状腺左葉切除術を施行した。術後経過は良好で,甲状腺機能は正常化したまま経過している。現時点では非中毒性と考えられる右葉の残存結節が長年の経過で中毒性結節へ移行する可能性があり,長期的な経過観察が必要である。

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© 2017 日本小児耳鼻咽喉科学会
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