2017 年 38 巻 3 号 p. 262-266
両側小耳症外耳道閉鎖症の術前の両耳骨導補聴器装用下および両耳外耳道形成術後の両耳気導補聴下の方向感がどの程度成立するかこれまで明らかではない。
われわれは両側小耳症外耳道閉鎖症例に対して,10歳前後に耳介形成術と外耳道形成術の合同手術を過去20年にわたって実施している。方向感検査を術前に両耳骨導補聴下と術後の両耳カナル型気導補聴器の装用下に実施した。その結果両耳時間差も両耳音圧差も両耳骨導補聴下でもカナル型補聴下でも閾値の上昇を認めはするが成立することがわかった。