小児耳鼻咽喉科
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臨床セミナー
小児気道狭窄への対応―気管狭窄及び気管軟化症への対応―
前田 貢作
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2020 年 41 巻 3 号 p. 254-258

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抄録

1)気管狭窄症(Tracheal stenosis)

保存的治療:狭窄の程度が軽く,呼吸症状が軽度な場合,去痰剤,気管支拡張薬,抗菌薬の投与にて経過観察する事が可能である。

外科的治療:狭窄が気管全長の1/3までの症例では狭窄部を切除し端々吻合が可能である。それ以上の長さの狭窄では種々の気管形成術が行われている。狭窄部中央の気管を横断した後,側々吻合するスライド気管形成(slide tracheoplasty)が開発され,最近では術式の改良・工夫により次第に治療成績の向上が認められている。

2)気管・気管支軟化症(Tracheobroncho malacia)

治療:気管軟化症では,dying spellのある例や,気管挿管や人工呼吸管理から離脱できない例が外科的治療の適応となる。原疾患により治療法が異なるため,原因に合わせた治療法を選択する。

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© 2020 日本小児耳鼻咽喉科学会
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