小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム1―ことばが気になる子どもに早期アプローチ
早期吃音の特徴と対応
富里 周太
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2021 年 42 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

吃音は発話の流暢性が障害される疾患である。2–4歳で発吃し,大部分は自然治癒するが,継続した場合は社交不安障害のリスクとなる。吃音の症状には波があり,また場面によって症状の生じやすさが変化するため,診察室で症状が生じないこともしばしば経験する。近年Lidcombe programやRESTART-DCMといった幼児期の吃音に対するエビデンスレベルの高い介入が行われるようになってきているが,すべての吃音がある児にこれらの介入をするのは現実的ではない。しかしながらDemands and Capacities Model(DCM)に基づいた対応を提案したい。また,発吃後1年経過,吃音が増悪傾向にある,4歳を過ぎる,発達障害の併存を疑う場合は,専門機関への紹介を検討すべきであろう。

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© 2021 日本小児耳鼻咽喉科学会
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