小児耳鼻咽喉科
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原著
小児患者における抜管後の喉頭内視鏡所見についての検討
宮本 真奥羽 譲齋藤 康一郎
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2024 年 45 巻 2 号 p. 139-144

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抄録

経喉頭的気管挿管(以下,気管挿管)は気道確保の最も確実な方法であるが,咽喉頭や気管の損傷原因となり,気管挿管が数時間になると喉頭浮腫や粘膜の潰瘍性変化を生じるとされ,特に喉頭浮腫は抜管後気道狭窄の一因であり,再挿管が必要となることがある.

2017年からの6年間に杏林大学医学部付属病院での手術症例や気管挿管による気道管理症例のうち,抜管直後から24時間以内に喉頭内視鏡検査を行った症例を対象とした.

対象は男児10例,女児13例の計23例,気管挿管時の年齢は0歳から11歳.抜管後に観察された喉頭所見は,声門後部の肉芽,声門下の腫脹,仮声帯の腫脹,声帯の腫脹/発赤,粘膜びらん,創部の腫脹・白苔,声門後部の腫脹,喉頭蓋/披裂部/喉頭蓋舌根面の浮腫性腫脹,一側声帯麻痺と多様な所見を認めた.特に咽喉頭への侵襲が大きい例,成人と同じように挿管期間が5日以上で重篤な喉頭損傷が生じていた.

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© 2024 日本小児耳鼻咽喉科学会
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