2007 年 28 巻 1 号 p. 40-45
症例はCTで明らかな膿瘍形成がなかったため,保存的治療を選択したところ,良好な経過をたどった. 1症例においてはCTで膿瘍形成を判断しかねる症例であったがMRIでは明瞭に膿瘍腔が描出され,緊急で内視鏡下副鼻腔手術を行い良好な経過をたどった.
膿瘍形成に対しては,外科的ドレナージが基本であるが,眼窩骨膜下膿瘍症例に対する症例選択的な保存的加療の有用性を検討した報告もあり,鼻性眼窩内合併症の治療選択,特に外科的治療の適応,時期,方法については依然として議論の余地があると考える.