小児耳鼻咽喉科
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Pulse transit timeを用いた小児睡眠時無呼吸症候群検査の検討
新谷 朋子小笠原 徳子金泉 悦子氷見 徹夫
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2007 年 28 巻 1 号 p. 46-51

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抄録

SASの検査においてPSGと換気努力の評価としての食道内圧検査は有用であるが,侵襲的で施行する施設が限られ小児に標準的に行えないため,より簡便な検査法がのぞまれる. PTT(pulse transit time)は動脈血が左心室から送り出される拍動が指先の脈に到達するまでにかかる脈波伝達時間で心電図とオキシセンサーのみで検出可能であり,換気努力の評価と自律神経刺激による覚醒反応の検出について期待されている. 小児SASの24名にPTT検出をPSGと同時におこなったところ,閉塞型,中枢型無呼吸の判別など換気努力の評価が可能であった. PTT検査と鼻フローセンサーを備えた簡易検査機器であるヒプノPTTTMとPSGで4名の覚醒反応を比較したが,ヒプノPTTTMの覚醒反応検出の鋭敏さはみられなかった. ヒプノPTTTMは,手術前後で比較した11名の重症度,換気努力の評価に有用であった.

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© 日本小児耳鼻咽喉科学会
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