2019 年 46 巻 46 号 p. 16-36
本稿は題材に『おんまはみんな』(アメリカ民謡)を使って、単曲での様々な音楽あそびの中で音楽を捉える力を養う音楽表現活動の指導法の教材考案・実践からその有意性を検証するものである。この教材展開の方法は、子どもへの指導経験から培った指導手法を広く指導者が活用できるように体系化した指導法である。この指導法では身体表現活動を基盤として音楽の様々な要素を1曲の中に複合的に取り入れた音楽あそびを展開する。子どもは深く音楽を捉える力を育み生涯にわたって音楽を楽しむことができる素地をつくることができ、指導者も子どもとの楽しい音楽あそびの中で自身の音楽技能を向上させることができるものである。様々な指導者のための研修会(注1)や指導者養成校(注2)における授業実践の中から2018 年度教員免許状更新講習受講生を対象に講習事後レポートから考察する。