室内環境
原著論文
日本人小児のハウスダストを介した化学物質曝露のリスク評価
高木 麻衣吉永 淳
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12 巻 (2009) 2 号 p. 103-114

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抄録

小児の化学物質曝露が懸念されている中,主要な化学物質曝露源の一つとしてハウスダストが注目されつつある。本研究では,我が国において今後さらに詳細な調査が必要と考えられる化学物質のスクリーニングを行う目的で,国内のハウスダスト中化学物質濃度(金属類,ポリブロモジフェニルエーテル類,多環芳香族炭化水素類(PAHs),フタル酸エステル類,ダイオキシン類,DDT,クロルピリホス,パーフルオロオクタンスルホン酸,ビスフェノールA,ノニルフェノール)に関する既往の報告値を主に用いて,小児のハウスダストを介した化学物質曝露量を推定し,リスク評価を行った。
鉛とフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)の曝露量95%値におけるハザード比(HQ)はそれぞれ,0.2,1.7であり,本研究で許容リスクと設定した0.1を超過した。PAHs,無機ヒ素,ダイオキシン類の曝露量95%値における過剰発がんリスクは,それぞれ3×10-5,1×10-3,8×10-5となり,許容リスクと設定した10-5を超過した。さらに,これらの化学物質のうち,鉛,DEHP,PAHsは,ハウスダスト経由の曝露量の全曝露量に対する寄与が大きいと推定された。よって,国内のハウスダストについては,鉛,DEHP,PAHsに関し優先的に実態調査を進め,ハウスダストを曝露媒体として含めた小児の健康リスク評価をする必要があると考えられる。

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© 2009 一般社団法人 室内環境学会
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