抄録
スオウ抽出液およびブラジリン水溶液に紫外線365nmを照射し、照射前後の吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長における吸光度の変化を求め、紫外線の影響を実験的に検討した。ブラジリン水溶液における極大吸収波長445.5~447.0nmでの吸収は、ブラジリンの酸化物質である黄褐色のブラジレインであると考えられる。スオウ抽出液の極大吸収波長は 438.5~442.0nmであり、吸収スペクトルからブラジレインに由来すると言える。これらの試料液に紫外線 365nmを照射すると、照射前およびブランクに比べ、照射後の極大吸収波長における吸光度は明らかに上昇した。このことから紫外線の酸化作用により酸化物質ブラジレインがより多く生成され、試料液が濃色化することが分かった。この現象はスオウ特有のものであり、スオウと同様に代表的赤色系天然染料であるコチニールと西洋アカネには見られないことを確認した。