日本シルク学会誌
Online ISSN : 1881-1698
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原著
絹セリシンを用いたビタミンEエマルション調製法の再現性について
栗岡 聡山崎 昌良
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2006 年 15 巻 p. 49-54

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抄録
家蚕(Bombyx mori)繭層から熱水抽出したセリシンのエマルション能を評価するために、高速攪拌乳化装置を用いてビタミンE(α-トコフェロール)を再現性よくエマルション化できる条件を見出した。セリシンのエマルション能はビタミンEの添加時期によって変化し、ビタミンEを攪拌振盪処理前に添加すると攪拌振盪処理中に添加した場合に比べてセリシンのエマルション能が有意に低下した。セリシンとビタミンEの重量混合比が1:5のとき、セリシンはビタミンEを効率的にエマルション化することが明らかになった。また、リン酸緩衝液(pH7.3)濃度はエマルション化度に影響を及ぼさなかったが、3mM以上のリン酸緩衝液試験区ではエマルション安定性が低く、24時間静置後にセリシンが不溶化した。
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© 2006 日本シルク学会
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