日本シルク学会誌
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学術論文
繭糸強度の高い蚕育成系統「MN502」および「MC502」とその交雑種「MN502×MC502」の性状
岡田 英二中島 健一伊賀 正年飯塚 哲也
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2021 年 29 巻 p. 39-49

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抄録

 生糸の新たな付加価値として,普通は3〜4 gf/dである繭糸強度を越える高強度繭糸に蚕糸関係者の関心は高い.農研機構が保有する蚕品種には,強度が6 gf/dの諸桂や5 gf/dを越える吉N,日124号があり,高強度繭糸の育種では有望である.これらと実用育種素材の日149号,中515号を用いて高強度系蚕の育成を図った.日124号×吉Nと日149号×日124号の四元交雑種から強度について選抜・継代し,新たにMN502という日本種系固定種を育成した.中国種系では中515号×208ABと諸桂の三元交雑種から固定種MC502を育成した.このMN502×MC502の飼育成績と繰糸成績を,白麗®,ありあけ,日137号×支146号の交雑種と比較すると,繭重と繭層重は軽く,これらと相関関係のある繭糸長,生糸量歩合,繭糸量も低かった.しかし,繭糸強度は4.99 gf/dの最高値を示したので育成を続け,近年,MN502は4.86,MC502は5.25,その交雑種は5.31 gf/dの強度を示した.この特性の遺伝効果は超優性の様相を呈し,MC502による影響が示唆される.

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© 2021 日本シルク学会
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