2007 年 48 巻 2 号 p. 141-148
小・中・高等学校では探究活動や課題研究において様々な化学種を簡易に定量分析できる方法が開発されている。筆者らは高い感度を得られる蛍光光度計を開発し,微量分析の教材化を推進している。今回はこの自作装置を改良して,身近な食品(スキムミルク,インスタント麺,コーンフレーク,栄養ドリンク)に含まれるビタミンB2 (リボフラビン)の定量分析を行い,誤差10 %内の良好な分析値を得ることに成功した。次に本装置を用いた授業実践をおこない,生徒の測定結果と質問紙調査から教材としての有効性が認められた。ビタミンB2は基本的栄養素として保健体育,あるいは家庭科においても学習する内容となっている。今後,筆者らの開発した自作の蛍光光度計が幅広く定量分析において活用されることが期待できる。