理科教育学研究
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原著論文
火山の学習におけるカルデラ形成の教材化とその有効性 : カルデラの形成モデルを用いた実践授業と生徒の理解
多賀 優久保田 善彦中野 聰志
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2010 年 51 巻 1 号 p. 83-91

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抄録

高等学校・地学Iで,滋賀県の後期白亜紀のコールドロンとして残るカルデラ火山の教材化を行った。「カルデラ形成のモデル実験」や「環状割れ目形成のモデル実験」を行い,カルデラの形成に関するグループでの考察を行った。学習時における生徒の理解の変化を,コンセプトマップ,会話プロトコルと質問紙法調査により検討した。その結果,実践授業によりカルデラ火山の形成についての理解が次第に明確になった。学習前では中学校で学習した「噴火」,「マグマ」が関連づけられた理解がみられ,今回の学習後では「噴火」と「マグマ」の結びつきを中心として,カルデラの形成についての理解が形成されていた。また,グループでの考察における互いの情報交換で,「カルデラ形成のモデル実験」をもとにしてカルデラ火山の形成過程の理解が進んでいた。これらの理解の変化や,事後の質問紙法の調査から「カルデラ形成のモデル実験」や「環状割れ目形成のモデル実験」は有効であることが明らかになった。

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© 2010 日本理科教育学会
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