2011 年 51 巻 3 号 p. 181-188
手回し発電機と大容量の電気二重層コンデンサーは,新しい学習指導要領で小学校の6学年での利用が決まっている。手回し発電機と電気二重層コンデンサーは安価であり, これらを使った教材の開発が容易である。我々は小学校での授業実践をふまえて,これらの特性を調べるとともに,低学齢の子ども達がこれらを安全に使用するために必要な基礎知識を得るための実験をおこなった。児童が手回し発電機で豆電球やLEDを点灯させる場合は,発電電圧を押さえないと壊す可能性が高い。また,コンデンサーの利用に際しても,耐電圧と極性を正しく理解していないと,破裂や破損の可能性が高くなり急激な性能の劣化がおこる。これらの実践と実験の成果を基に,授業で適切に児童の疑問に答え,これらを小学校で安全に使用するためにQA集という手引書をまとめた。