2011 年 52 巻 1 号 p. 143-157
近年,小学校教師に理科学習での博物館活用の力量が求められるようになっている。しかしながら,現段階で博物館活用において問われる教師の力量及び内実は,これまで具体的な実践例を踏まえて抽出されてきていない。そこで,筆者らはベテラン教師の取り組む理科学習のための博物館活用に同行し,対象教師の力量及び内実を事例研究として探ることにした。研究の方法としてPPKというフレームワークを採用し,本研究で得られた対象教師の考えや意図と,教師の力量として示されている6要素との対応づけをはかった。その結果,博物館等の活用場面における教師の力量について,6要素それぞれに独自の内実を見出すことができた。