2015 年 55 巻 4 号 p. 425-436
本研究では, 科学技術と社会の関係を扱うことを意図した理科授業(STS教育)の中で, エネルギー政策を題材に学習者主体の議論を通して意思決定や合意形成を扱う方法として, 参加型テクノロジーアセスメントの手法の一つであるシナリオワークショップを利用したプログラムを開発し, 実践した。授業前後の質問紙調査の結果, 未来のエネルギー政策への「関心度」「学習意欲」「参加意識」について, それぞれ高い学習者の割合が増加した。また, シナリオワークショップの授業中の各班, 及び授業後の各学習者が未来のエネルギー政策について意思決定することができた。よって, 学習者主体の議論を通して意思決定や合意形成を扱う手法として, シナリオワークショップが実用的であることが示唆された。