理科教育学研究
Online ISSN : 2187-509X
Print ISSN : 1345-2614
ISSN-L : 1345-2614
原著論文
小学校高学年児童の日常生活での因果関係のある事象に関与する経験及び意識の傾向
山田 貴之小林 辰至
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 56 巻 2 号 p. 225-234

詳細
抄録

本研究では, 小学校高学年の児童を対象に, 日常生活での因果関係のある事象に関与する経験及び意識の傾向の類型化を行い, その実態を明らかにするとともに, 類型化された群に適した指導方法の例について検討することを目的とした。
分析には, まず, 平方ユークリッド距離を指標とした変数(質問項目)間の非類似度データに基づいて, 多次元尺度法を用いた。次に, 平方ユークリッド距離を指標とした個体(被験者)間の非類似度データに基づいて, 非階層的クラスター分析を行い, そこで得られた各クラスターを2次元空間上に反映させた。
その結果, 小学校高学年では因果関係のある事象に関与する経験及び意識の傾向によって, 4群(「経験・意識の下位群」, 「経験不足中位群」, 「意識不足中位群」, 「経験・意識上位群」)に類型化されることが明らかとなった。さらに, 4群に適した指導方法の例を考察することができた。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本理科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top