理科教育学研究
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原著論文
小学校理科の模擬授業における教師知識形成を目指した協働的省察の効果
杉山 雅俊山崎 敬人
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2016 年 56 巻 4 号 p. 435-445

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抄録
本研究の目的は, 教師知識の形成を目指した協働的省察の効果を検討することであった。小学校理科の模擬授業を実践した教師役の学生を対象に協働的省察を実施し, 発話プロトコルを作成した。作成した発話プロトコルについて, 発話単位と話題単位で分析を行った。研究の結果, 発話単位では, 「問題の発見」と「問題の解決」の両方が行えていたことが明らかとなった。しかしながら, 複合的な知識領域に関わる内容についての検討がさほど多くなく, 省察の対象も個別の教授行為に関することに偏っていた。一方で, 話題単位の分析では, 他の知識領域に関する内容を踏まえた省察が行われていたこと, 学習者を視野に入れた省察も行われていたことが明らかとなった。
以上の結果から, 協働的省察は, 教師知識形成のための方策として効果的であると結論付けた。
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© 2016 日本理科教育学会
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