2017 年 57 巻 4 号 p. 423-434
本研究では, 心理的・社会文化的な学習環境をデザインすることで, 新しい時代に必要となる資質・能力1)の育成に関わる教授・学習方略を実現することを目指した。そのために, Cunninghamらの提案した構成主義的な学習環境を構築する七つの枠組みに基づいて, 理科授業を計画・実践した。七つの枠組みは, (1)知識構築のプロセスを経験させる, (2)多様な視点を認識させる, (3)学習課題が真正である, (4)学習者中心の学習である, (5)協働的である, (6)多様な方法で表現させる, (7)メタ認知活動を促す, である。この枠組みを援用した授業を分析した結果, 資質・能力の育成に関わる理科授業を計画・実践する枠組みとして, Cunninghamらの枠組みが有用であることが明らかになった。