2019 年 60 巻 1 号 p. 153-161
本研究の目的は,小学校段階で実験レポートの書き方を身につけさせる指導法を開発し,授業実践することで児童の科学的表現力の育成に有効であるかを検証することである。実験レポートの書き方をメタ認知的知識として捉え,足場づくりを活用したワークシートを作成し,足場を徐々に外しながら繰り返しレポート作成に取り組む単元展開を設計し,検証授業を行った。事前と事後で問題調査と意識調査を実施し,また児童が作成したレポートを分析した。その結果,問題調査において,開発した指導法を実践した群では実践しなかった群に比べ統計的に有意な効果が見られた。また,レポートの記述においても質的・量的な向上が見られた。足場づくりを活用したワークシートを用いて実験内容を繰り返しレポートに書き表す指導法は,小学校の第4学年の児童の科学的な記述方法の理解を促し,科学的な表現力の育成に有効であることが示唆された。