理科教育学研究
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原著論文
理科学習におけるメタ認知機能による認知・情意の相互関連に基づくアプロプリエーションの実態に関する研究
―小学校理科「物の溶け方」の単元を事例に―
齊藤 徳明遠藤 寛和田 一郎
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2020 年 61 巻 2 号 p. 263-275

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抄録

本研究では,他者との学び合いにおいて鍵となる「アプロプリエーション」について,メタ認知の機能による認知・情意の相互関連の観点から,その実態を明らかにすることを目的とした。具体的には,メタ認知,認知,情意の関連を指摘するMcCombs(1988)の指摘,および,学習における目的や信念などのアプロプリエーションに寄与すると考えられる情意的要素をWigfield & Eccles(1992)が指摘する期待-価値理論により具体化し,アプロプリエーションにおける認知,期待,価値の相互関連について,小学校理科授業を事例的に検討した。事例的分析の結果から,小学校理科学習における期待と価値は,4つのパターンで分類されることが明らかとなった。また,理科学習において,子どもが認知,期待,価値の状態をメタ認知することによって,他者の考えを取り入れる動機が生まれ,アプロプリエーションが生起する実態が明らかとなった。一方,認知,および,期待と価値の相互関連が不十分な場合,適切なアプロプリエーションが生じないことが明らかとなった。

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© 2020 日本理科教育学会
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