理科教育学研究
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原著論文
現代的教育課題の取組を進めるための教員研修の構築に関する考察
―東日本大震災以降の放射線教育実践に向けての試みから―
堀 道雄藤岡 達也
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2021 年 61 巻 3 号 p. 489-496

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抄録

東日本大震災から9年経ち,学校現場における放射線教育はエネルギー,環境など持続可能な社会の構築という観点からも,今後の取扱いを検討する必要がある。現代的な諸課題に関する教科横断的な教育内容として,初等教育段階から身近な放射線を取扱うためには,指導にあたる小学校教員の資質・能力の育成やそのための研修の設定も重要な意味がある。本研究では,文部科学省や福島県,また全国的な放射線教育の取扱いの動向を整理し,それを踏まえ,緊急時防護措置準備区域(UPZ)圏内を含んだ滋賀県内において放射線教育を主題とした小学校教員研修プログラムの開発を検討した。教員研修プログラムの目的を ①放射線教育の意義を認識する ②実験・観察を通して教師自身の基礎的知識を習得する ③福島だけでなくUPZ圏内など地域の実態に照らし合わせて考える と設定し,外部講師と連携して実験・観察を取り入れた研修を小学校教職員対象に実施した。その結果,研修受講者は地域の実態に合わせた放射線教育実践への意義を見いだし,放射線に関する知識・技能を習得することの必要性を認識することができた。

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