理科教育学研究
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原著論文
学級内の社会的地位と実験グループに対する心理的安全性が理科授業における批判的議論とストレス反応に及ぼす影響
亀山 晃和原田 勇希草場 実
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2021 年 62 巻 1 号 p. 229-245

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抄録

学習指導要領では,主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が求められている。理科授業で対話的な学びを実現するには,学習者が対話を通して学習を進めることの意義を認知することや議論を行う場での学習者を取り巻く雰囲気を改善することが重要であると考えられている。そして,学習者を取り巻く雰囲気は,学習者の所属する学級内の対人関係による影響を受けると考えられる。しかし,理科教育学における「対話的な学び」に関連する先行研究では,学級内の対人関係の個人差に着目した研究は管見の限り見当たらない。本研究は,個人差の変数としてスクールカーストに着目し,理科授業における批判的議論とストレス反応に及ぼす影響を検討することを目的とした。分析の結果,スクールカーストが理科授業における批判的議論,実験グループに対する心理的安全性に影響を及ぼすことが明らかになった。また,スクールカーストが高位でない生徒は,高位の生徒と比較して,「対話的な学び」を要求する観察・実験場面におけるストレス反応が有意に高いことが示された。

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© 2021 日本理科教育学会
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