日本女性科学者の会学術誌
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総説
核融合炉に向けたプラズマ回転速度分布と運動量輸送に関する研究
吉田 麻衣子JT-60チーム
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2010 年 11 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

核融合反応によるエネルギーを効率よく得るには、高性能のプラズマ(プラズマの密度と温度、プラズマの安定性、プラズマエネルギーの閉じ込め性能、プラズマ純度が高い状態)の生成と維持が必要である。我々が扱うプラズマはドーナツ型をしており、接線方向に数百km/s の早さで回転している。近年、このプラズマの回転が上記の高性能プラズマの実現に、重要な役割を担っていることが分かってきた。しかし、プラズマ回転の空間構造(分布)は、様々な物理機構(過程)からが決まってくる複雑さのゆえ、核融合研究の長年の課題であった。本研究では、独自の摂動輸送実験と解析手法を用いることで、その一つ一つの過程を切り分けて特性を調べるアプローチをとった。このアプローチにより、高速イオンの損失に伴うプラズマ回転の駆動機構、プラズマ回転速度と密度の積である運動量の輸送(拡散項と対流項)、プラズマが自ら回る自発回転について、個々の特性とプラズマ回転の空間構造(分布)に与える影響を明らかにした。

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© 2010 日本女性科学者の会
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