2014 年 14 巻 1 号 p. 1-9
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は酵素によりDNAを増幅する方法であり、バイオテクノロジーの分野で幅広く使われている。PCR法は極めて微量なDNAをテンプレートとして、特定の領域を温度コントロールだけで指数関数的に増幅する。単にDNAを増やすだけでなく遺伝子の配列解析にも使用される。この総説ではPCRで使われるDNA断片(プライマー)に着目し、目的に合わせた様々な修飾プライマーを使ったPCRについてまとめる。更に得られた増幅産物の解析にも注目し、修飾プライマーを使ったPCRからそのモニタリング法についてPCRを化学の視点から眺め、総合的に紹介する。