ヘッジホッグ(Hh)シグナルは発生段階で重要な役割を担うシグナル伝達経路であるが、変異等で異常亢進すると、種々のがんの発生や増大に関わることが報告されている。小分子によるHhシグナル阻害剤は、抗がん剤のリードとして期待されているがその数はいまだ少ない。我々は天然物からHhシグナル阻害剤を効率的に見いだすためにハイスループットスクリーニングに適した細胞アッセイ系を構築し、当研究室で構築した亜熱帯植物エキスライブラリーから種々の天然由来Hhシグナル阻害剤を単離、構造決定し、それらの作用機構解明に取り組んできた。本総説では、最近の結果を中心に紹介する。