日本女性科学者の会学術誌
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レポート
スウェーデンにおける物理研究・教育の現状 - 女性社会進出世界上位国の実情
アルヴェリウス 幸子
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2008 年 9 巻 1 号 p. 67-76

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抄録

本レポートでは、スウェーデンの主要大学の2校の学内機会均等化委員会が作成した企画・計画書から、当国における女性物理研究者の実態を統計的に眺めてみた。そして、機会均等化委員会が提言する女性(物理)研究者のためのネットワーク構築支援プロジェクトに関わってくると思われるWIPSやNorWIP について紹介した。日本における同様の統計が手元にないために比較できないが、日本と異なって政治・経済の分野で女性進出がかなり進んでいるスウェーデンにおいても、女性物理研究者のPh.D. 取得率、大学・研究機関における教員比率は共に20%に至っていないのが現状である。しかし組織的に状況監視を行い、一定期間毎に現状を定量把握し、それをもとにそこから具体的に数値目標を掲げて、その達成のための計画・アクションを行う努力は(遅くとも)90年代後半から行われている。

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© 2008 日本女性科学者の会
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