Skin Cancer
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一般演題
有茎性を呈した腋窩原発アポクリン腺癌の1例
大狩 慶治和田 誠張 財源小森 敏史浅井 純竹中 秀也加藤 則人
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2017 年 32 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

70歳,男性。2010年頃より左腋窩に結節が出現し,徐々に増大した。2015年5月に前医で前立腺癌の治療中に左腋窩の腫瘤に対し同院皮膚科を受診した。生検でアポクリン腺癌と診断され,加療目的に当科へ紹介された。左腋窩に,8.0×5.0 cm大の有茎性で表面に潰瘍を伴う易出血性の紅色腫瘤を認め,左腋窩リンパ節が腫脹していた。PET-CTでは,他臓器への明らかな転移所見はなかった。局所麻酔下に,茎部より2 cm離して腫瘍切除術と左腋窩リンパ節生検を施行した。病理組織では,真皮浅層までに好酸性の細胞質を有し,明瞭な核小体を持つ腫瘍細胞が増生し,管状構造や断頭分泌がみられた。腫瘍細胞の細胞質はPAS染色陽性でジアスターゼ抵抗性を示し,免疫染色でGCDFP-15が陽性であった。リンパ節生検で転移を認めたため,左腋窩リンパ節郭清術を施行した。有茎性を呈するアポクリン腺癌は稀と考えられた。

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© 2017 日本皮膚悪性腫瘍学会
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