症例1:74歳,男性。人間ドックで施行した上部消化管内視鏡検査で中部~下部食道の腫瘤を指摘され,生検で悪性黒色腫と診断。食道全摘術と頸胸腹部リンパ節廓清術を施行。ダカルバジン,ニボルマブによる化学療法を行うも術後8ヵ月で永眠。症例2:71歳,男性。咽頭の違和感を主訴に上部消化管内視鏡で下部食道の腫瘤を指摘。生検で悪性黒色腫と診断され,食道全摘術と頸胸腹部リンパ節廓清術を施行。術後,当科でダカルバジン単剤療法を行ったが膵転移が出現し,ニボルマブの投与を行うも同剤による間質性肺炎を生じたため中止した。多臓器転移により術後11ヵ月で永眠。2例とも外科的切除により原発巣を摘出したものの術後早期に他臓器転移を生じ,化学療法に抵抗性で予後不良だった。