Skin Cancer
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総説
形質細胞増殖異常症の随伴症候群が共有する病態
岩月 啓氏
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ジャーナル 認証あり

2019 年 34 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

形質細胞増殖異常症の随伴症候群として,Castleman病とPOEMS症候群(別名,Crow-Fukase症候群,PEP症候群)はよく知られているが,その他にTAFRO症候群/Castleman-Kojima症候群,TEMPI症候群,AESOP症候群,IgG4関連疾患などの類縁疾患がある。IL-6過剰産生に基づく疾患群は,Castleman病を含めて包括的に高IL-6症候群とも呼ばれる。これらの症候群は臨床所見がオーバーラップするために,鑑別に苦慮することが多い。東アジア人に好発する皮膚形質細胞増多症は,皮膚型Castleman症候群,または多中心性Castleman病(MCD)の皮膚病変として報告されることや,IgG4関連疾患との関連が論じられている。本邦では,特発性MCD,POEMS症候群,IgG4関連疾患が厚労省指定難病の承認を受けており,TAFRO症候群についても研究班が組織されている。TEMPI症候群は,改訂第4版WHO分類2017に正式に採択されている。本総説では,現時点での形質細胞増殖異常症と随伴症候群に関する知見をまとめ,それらの疾患に共通する病態について包括的に言及した。

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© 2019 日本皮膚悪性腫瘍学会
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