2019 年 34 巻 2 号 p. 182-185
58歳,女性。10年前に乳房外Paget病に対して切除術を施行した。根治術10年後に当院再診,PET/CTにて多発リンパ節転移および多発骨転移を認めた。1st lineとしてS-1/ドセタキセル療法を行い,15ヵ月間奏功した。以降,ゲムシタビン,エトポシド,タモキシフェンによる加療を行ったが効果を認めなかった。免疫染色にてホルモン受容体陽性HER2陰性且つCDK4陽性であったため,CDK4/6阻害剤であるパルボシクリブ投与行うもPDであった。再発27ヵ月後に死亡した。今後,CDK4/6阻害剤による治療などを含めて,切除不能乳房外Paget病に関する新たな治療法が必要である。