Skin Cancer
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膀胱に転移した頬部原発の血管肉腫
青木 重威原 弘之下島 博之岡田 知善五島 順子鈴木 啓之佐多 徹太郎
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2004 年 19 巻 2 号 p. 156-160

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抄録

症例は74歳女性。打撲後, 左頬部に4×6cmの紫紅色の結節が出現。前医で皮膚生検の結果, 腫瘍は真皮上層から中層に大小種々の管腔構造を認め, 内腔は異型性に富む紡錘形細胞で構成され, 血管肉腫と診断された。本人の希望により切除は行わず, IL-2の全身および局所投与と電子線照射を施行。皮疹は一時平坦化したが, 初診2年後, 同部に紫紅色結節が再び出現し, 当科を受診。治療および経過: 皮膚腫瘍切除術兼分層植皮術を施行。その後IL-2局注および電子線照射を継続したが, 術後1年6ヵ月後, 血尿が出現。膀胱鏡で膀胱内に腫瘤を認めたため, TUR-btを施行。組織学的に原発巣と同様の管腔構造と腫瘍細胞の増殖を認めた。腫瘍細胞はCD31, CD34, Factor VIII陽性で, 血管肉腫の膀胱転移と診断。ほぼ同時期に肺, 皮下, 肝臓および脳に転移巣が出現。エンドセリン-1値は全身転移が認められた時点で高値を示した。病巣内のHHV-8DNAは陰性。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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