2008 年 23 巻 3 号 p. 280-286
皮膚リンパ腫WHO-EORTC分類 (Blood, 2005年) が発表され, 病型診断についてはほぼコンセンサスが得られ, 臨床医にとって理解しやすい分類になった。さらに2007年, 菌状息肉症・Sézary症候群に関する新病期分類 (Blood) と, 菌状息肉症以外の皮膚リンパ腫のAnn Arbor分類に代わる病期分類 (Blood) が相次いで発表された。我々は, 日本皮膚悪性腫瘍学会および日本皮膚科学会の共同事業として, 本邦の実情に合わせた皮膚リンパ腫ガイドラインを作成し, 2008年春に暫定版を発表した。また, 皮膚リンパ腫の全国調査を永続的に実施し, 前向き調査によって予後, 治療効果を追跡するリンパ腫登録システムを構築した。皮膚リンパ腫診療の標準化に加えて, アウトカム評価が期待される。