Skin Cancer
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皮膚リンパ腫診療ガイドライン:菌状息肉症・Sézary症候群
河井 一浩
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2008 年 23 巻 3 号 p. 287-293

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抄録

日本皮膚科学会と日本皮膚悪性腫瘍学会による皮膚リンパ腫診療ガイドラインが公開された。皮膚リンパ腫患者の治療選択のためには正確な病型診断と病期分類が重要であり, 菌状息肉症・Sézary症候群の病期分類には2007年に発表された新TNMB分類を用いる。菌状息肉症・Sézary症候群の治療に関しては, 13問のClinical Question (CQ) を設定して文献を検索しエビデンスレベルの評価を行ったが, 各CQに対する推奨度・推奨文は本邦における医療の実情も考慮した上で決定・作成した。各推奨文には解説を加え, それぞれの文献にはエビデンスレベルを付記したが, 菌状息肉症・Sézary症候群の治療に関するエビデンスレベルの高い臨床研究は少ない。また各病期ごとに推奨される治療を診療アルゴリズムとして示した。早期菌状息肉症に対する第一選択の治療は局所療法であり, 化学療法の適応は局所療法およびBRM療法に抵抗性の場合と皮膚外病変を伴う進行期菌状息肉症・Sézary症候群である。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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